治療・講演実績
2022/10/26虫歯になりやすい人、なりにくい人
岐阜市にある、あかなべ歯科です。
歯科医師の私が言うのもなんですが、歯医者の通院ってめんどくさいですよね?定期検診は必要ですが、治療を行わないことによって通院回数を減らすためにも虫歯になりやすい人となりにくい人にはどんな違いがあるか知っておきましょう。
■虫歯になる過程
虫歯になる原因はミュータンス菌をはじめとする虫歯菌です。この虫歯菌が飲食物から糖分を取り込み酸を作ることによって、歯の表面のカルシウムが溶け出し虫歯へと繋がります。ではどのようなプロセスを経て虫歯になるのか5段階に分けて解説します。
・STEP1(感染)
歯の表面に虫歯菌が付着し増殖します
・STEP2(分解)
虫歯菌の持っている酵素によって食べ物や飲み物に含まれる糖分を分解します。
・STEP3(増殖)
分解された糖分はそのまま虫歯菌の酵素によって、酸と不要性グルカンを作り出します。この酸と不溶性グルカンを媒体に虫歯菌はさらに増殖します。
・STEP4(脱化)
虫歯菌によって作られた酸が歯の表面のカルシウムを溶かし始めます。ここからが虫歯への第一歩を踏み出したことになります。
・STEP5(虫歯)
STEP4が進む事により、エナメル質の崩壊へと繋がります。エナメル質に欠損ができてしまうと自然に治すことは不可能となり、虫歯と呼ばれる段階に入ります。その後、進行することでより重症化します。
■虫歯になりやすい人の特徴
・歯磨きが不十分
磨き方が不十分だと虫歯になる原因の一つです。磨き方が分からない方はかかりつけの歯医者さんで聞けばブラッシング指導を受けることも出来ます。また、歯間ブラシやフロス(糸ようじ)を使うことで格段に歯の洗浄の質が上がります。
・食事の時間が長い
飲食で口腔内は酸性になりますが、食事が終わると戻る作用が働き中性になります。
食事が長く、ダラダラ食べ続けていると口腔内の酸性状態がその分続くため中和が追いつかず虫歯菌が繁殖しやすい環境が続くため虫歯のリスクが高まります
・甘い食べ物や飲み物が好き
虫歯菌は糖分を好むため、甘い食べ物を習慣的に食べている、またスポーツ飲料やエナジードリンクを飲む機会が多いと虫歯になりやすい傾向にあります。
・歯並びや噛み合わせの問題
歯並びが悪いと重なった歯の隙間が磨きにくいため、磨き残しが発生し、虫歯になるリスクが高まります。また、矯正治療中の患者さんも矯正装置と歯の隙間が磨きにくく、リスクが高まります。噛み合わせが悪い場合は噛む力のバランスが悪く、歯を傷つけることでそこから虫歯菌が侵入しやすくなります。
・唾液の分泌量が少ない
唾液には殺菌作用や中和作用があり、溶けた歯を修復する作用もあります。唾液の分泌量が少ない場合虫歯になりやすくなります。食事の際に噛む回数が少ないと分泌量が減少するため、噛む回数を意識して食事を行うと良いでしょう。その他にもストレスや精神的な緊張によって自律神経のバランスが崩れ分泌量が減ったり、加齢による筋力の低下が減少に繋がることもあります。また唾液の質が悪いと虫歯になりやすい傾向にあります。唾液の質にはサラサラとネバネバの2種類存在します、ネバネバの唾液は虫歯になりやすい傾向にあります。
・親やパートナーに虫歯が多いまたは未治療の虫歯がある
箸やスプーンなどを共有したりパートナーとのキスなどでも虫歯菌が感染してしまうため、虫歯の治療時は、ご本人やお子様だけではなく親やパートナーの健診な治療をおすすめします。
■虫歯になりにくい人の特徴
虫歯になりにくい人の特徴は主に上記で述べた、なりやすい人の真逆の人です。しっかり歯磨きができており、口腔内の虫歯菌が増殖しにくい環境にある方です。また、中には虫歯菌が少ない口腔内環境の方もいます。虫歯菌は赤ちゃんの時期に親御さんと箸やスプーンを共有することからうつる場合が多いので、その時期に感染がなければ大きくなっても虫歯菌に感染する可能性は少なく、虫歯のない子に育つケースもあります。
■まとめ
虫歯を作らないためには、虫歯菌が繁殖しにくい環境を作ることが大切です。そのためにはしっかりとした口腔ケア(適切な歯の磨き方や歯ブラシだけではなく、歯間ブラシ・フロスを使用すること)と食事の際の注意、生活習慣を見直す必要があります。ただ、ご自身で現状虫歯になりにくい環境を作り出せているか判断するのは難しいと思います。ベストは、しっかり歯科医院で定期検診を行い、歯のプロに現状の口腔内をその都度判断してもらい、適切な予防治療を施すことが虫歯にならない一番の方法です。