治療・講演実績
2022/12/28虫歯の見分け方
岐阜市にある、あかなべ歯科です。「歯が痛い!」虫歯かもと鏡を見た経験はあると思います。痛みが出る状態では虫歯は進行しており、歯に穴も開いているので、この時点では多くの方が虫歯だと見分けがつくのではないでしょうか?ただし、歯が痛いイコール虫歯ではありません。痛みが出る前に虫歯かどうかチェックしておきましょう!
■虫歯の段階について(CO~C4)
・初期の虫歯「CO」
発生してまもない虫歯のことを指します。初期う蝕といい、特に治療が必要な状況ではなく、予防処置としてフッ素塗布などを実施し歯の再石灰化をはかります。
※再石灰化とは、酸で溶かされた歯のエナメル質表面の成分が唾液などの働きによって再び歯の表面に形成される現象
・エナメル質の虫歯「C1」
虫歯がエナメル質にとどまっており、歯に少し穴が開いている段階です。特に痛み
などはなく、この段階では予防処置としてフッ素塗布などを実施し歯の再石灰化をはかる場合と、歯を少し削り歯科用のプラスチックを歯に詰める治療が必要になります。
※この段階では、虫歯のなりやすさや歯磨きの状況など、個人個人のお口の中の状態によって、予防処置か治療かを判断することが多いです。
・象牙質の虫歯「C2」
虫歯が象牙質まで及んでいる段階です。冷たいものや熱いものがしみたり見た目にも大きく現れるので、この時点で虫歯と気づく方も多くなります。歯を削ったり詰め物を行います。場合によっては歯全体を覆う被せ物を行うこともあります。
・神経まで到達した虫歯「C3」
虫歯が神経まで到達し、歯の神経・血管を蝕んでいきます。この段階では最も歯の痛みが強いと言われ、痛みを我慢できず寝れないなんてこともあります。この段階では神経を残す治療は不可能で、神経の管を掃除、虫歯菌を薬剤で消毒、きれいになった神経の管を専用のお薬でふさぎます。
・虫歯により歯冠が崩壊「C4」
虫歯によって歯が完全に侵食された状態です。歯冠もほとんど崩壊し、歯根まで虫歯が進行しています。歯を残すという治療を行うことは不可能で、抜歯が必要になります。
■自分は今CO~C4どの段階?
♢COかも!
・歯の表面に白斑や白濁がある
・歯と歯茎の境目が白くなっている
・歯の表面がザラザラしている
♢C1かも!
・歯の一部が黒く変色している
・歯に少し穴が開いているような気がする
・食べ物が詰まりやすい
♢C2かも!
・黒く変色している部分が大きくなっている
・歯に穴が開いている
・冷たいものや熱いものがしみる
・甘いものがしみる
・噛むと痛みがある
♢C3かも!
・何もしなくても痛みがある
・痛みが激しすぎて寝れない
・以前あった痛みが弱くなってきた
・歯茎にニキビのような腫れがある
♢C4かも!
・痛みがなくなった
・歯の冠が崩壊している
■初期の虫歯を見つけた時に出来る自宅での対処法
ここで言う初期とはCOの段階です。初期の段階では治療はほとんど必要なく、予防がメインとなります。ご自身でできることもあります。
1.フッ素配合の歯磨き粉を使用して再石灰化をはかる
フッ素濃度が低いと効果が 期待できないため濃度1,450ppm程度のものを選びましょう。子供さんの年齢によっては、950ppm・500ppm・100ppmなどフッ化物イオン濃度濃度を下げる必要があるため、どれを選べばいいのか悩まれる場合は歯医者さんで相談してください。
2.デンタルフロスを使用して歯垢除去率を上げる
歯ブラシだけでは歯垢除去率は6割程度です。デンタルフロスを併用することで8割の除去率を目指せます。
3.キシリトールガムを噛む
キシリトールには虫歯菌の発生や増殖、虫歯の進行抑制機能があります。ガムを噛むことで唾液の分泌量も促され、唾液には歯を修復する機能もあるため予防効果が期待できます。
※キシリトールガムはキシリトール100%で砂糖不使用の物を選びましょう。
■虫歯は早期発見、早期治療、予防処置が重要
虫歯の見分け方や対処法を紹介しましたが、虫歯は早期発見、早期治療が重要です。また、虫歯の進行状況によっては、削る治療ではなく定期検診による経過観察・予防処置で進行を止めることができることできます。この治療方針は、MI(ミニマルインターベーション)と言われ、FDI(国際歯科連盟)が提唱し、国際的に推奨されている治療の考え方です。
(1)虫歯菌のコントロール
(2)虫歯ができにくい生活習慣や砂糖を減らすなどの食事指導
(3)虫歯の再石灰化
(4)虫歯治療の際にできるだけ削らない
(5)古い詰め物や被せ物のやりかえ
虫歯を見つけただけにとどまらず歯科医院で適切な検査と処置を受けましょう。歯科医院では見た目だけではなくレントゲンなどの機器を使って明確な歯の状態を知ることができます。誤った判断をしてしまうと気づいた時には神経まで虫歯が到達しているなんてことも。 一番はご自身の判断に頼らず、定期的に歯医者へ通うことをお勧めします。