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2023/09/28塩で歯磨きって実際効果ある?
岐阜市にある、あかなべ歯科です。
みなさんは塩で歯磨きが行われていた時代があることをご存知でしょうか?4世紀頃には、食塩だけでなく、黒胡椒、ミントの葉っぱなどを混ぜた物を歯磨き粉のの代わりとして使用されていたと言われています。
現在でも少なからず塩で歯を磨いている方はみえます。
では、塩で歯磨きは有効なのか?その効果についてもご紹介していきます。
▪️塩で歯磨き効果はある?メリットはある?
結論から話すと、塩でもある程度の効果が期待できます。
塩は古くから殺菌、消毒に使われており、歯磨き粉の成分として配合されることもあります。塩には摂取することで唾液の分泌を促す効果があり、歯肉の引き締め効果、歯周病にも少なからず効果があると言われています。
【メリット】
・唾液を促すことによって虫歯予防が期待できます。
・塩の浸透圧によって歯茎の引き締まりが期待できます。
・塩分によって炎症を抑える効果が期待できます。
・塩マッサージ効果で歯茎の血行促進効果が期待できます。
▪️塩で歯磨きのデメリット
上記で述べた通り、塩で歯を磨くことで期待できる効果は多々あります。
しかし、注意点もあります。炎症がひどい場合や粘膜が弱くなっている場合は、逆効果になっていまい、腫れがひどくなったり、歯茎などに痛みが出てしまう場合があります。
また、塩は結晶の硬度が非常に高く、強い摩擦で歯が削れたり、歯茎が傷つく恐れがあります。なお、殺菌作用を得るためにはかなりの量の塩を使用しないとしっかり殺菌できなかったりと意外とデメリットが多いのも事実です。
▪️歯を白くする効果はある?
塩で歯を磨くことで、歯が白くなると現在でも続けている方は少なからずいます。
以前当院HP内で、「重曹で歯磨き」と言う題材のブログを作成しましたが、そちらに記載した内容とほぼ一緒で、結論から言うと塩で歯は白くなりません。
塩は結晶が強度で研磨作用が高いため、歯の表面の着色汚れを除去できると言えます。歯の表面を削ることで着色汚れが落ち、ご自身の元々の歯の色に近づけることは可能かもしれません。しかし、歯そのものを白くする効果はなく、白さを目指して強く磨いたりすると歯の両面は傷つきザラザラになるため、余計に汚れや着色が着きやすくなってしまします。
白い歯が目的で塩歯磨きを行なっている場合はいますぐやめてください。歯を白くするには歯科医院で行えるホワイトニング一択です。
※「重曹で歯磨き」のブログが気になる方はこちら
▪️実際のところ塩で歯磨きをするのはあり?
塩で歯磨きを行うことで、メリットはあるものの、歯科医師の目線からお伝えするとあまりおすすめしません。理由はデメリットの方が大きいからです。
それに、研磨作用以外は普通の歯磨き粉の方が効果が高く、やはり虫歯予防にはフッ素配合が極めて効果的だからです。
また、研磨作用は健康的な歯を削るリスクがあるため研磨効果の高い物を使い続けることで歯はどんどん削れてしまい結果、歯の寿命を縮める要因に繋がります。
どうしても塩で歯を磨きたいと言う方は再度塩で歯を磨く目的を確認し、メリットデメリット、研磨作用が高いことを理解した上で定期的に歯の状況をかかりつけの歯科医院で見てもらうことをおすすめします。