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2025/09/10虫歯じゃないのに歯が痛むこともある?
岐阜市にある、あかなべ歯科です。
直近で歯医者に行って異常が見つからなかったのに歯が痛むといった経験をされた方は意外に少なくないのではないでしょうか?
実は歯に痛みを伴うケースは虫歯だけとは限らず、虫歯じゃないのに歯が痛む場合もあります。
今回は、虫歯以外で歯が痛くなる場合はどのようなことが考えられるかご紹介していきます。
▪️歯の痛みは2種類ある
歯の痛みは大きく分けて「歯原性歯痛」と「非歯原性歯痛」の2種類に分けられます。それぞれご紹介していきます。
・歯原性歯痛
歯の内部の神経や血管が刺激され引き起こるされる痛みを歯原性歯痛と言い、虫歯や酸、摩耗などで神経や血管が刺激され痛みが生じたり、歯周病が原因で骨が溶け痛む場合も歯原性歯痛に分類されています。
・非歯原性歯痛
歯以外が原因で引き起こされる痛みを非歯原性歯痛と言い、顎関節症や歯ぎしり、ストレス」などが原因で痛みを感じることがあり、これは筋肉や神経性の要因で痛みが引き起こされています。
あまり知られていませんが、実は身体全体が緊張するだけでも痛みを感じる場合もあります。
▪️虫歯以外で痛みが生じる実例と対処方法
1、神経の炎症が原因で痛みが生じる
神経の炎症の場合虫歯である可能性が高いのですが、虫歯以外でも歯周病や外傷が原因であることも考えられます。
神経の炎症の場合は早めに歯科医院に相談し、適切な処置が必要で放置すると最悪の場合は神経を抜く治療が必要になるケースも多くなります。
2、歯列接触癖:TCHで痛みが生じる
上下の歯を無意識に接触させてしまう癖の事を歯列接触癖:TCHと言います。
通常上下の歯は2~3㎜離程度離れた状態が正常とされていますが、食事といった噛むことが必要な時以外にも無意識に歯を接触させてしまっている方がいます。
この場合歯に負担をかけ続けてしまい、歯の摩耗や割れ、損傷を引き起こす可能性があり、痛みが発生することもあります。
早めに歯科医院に相談し、適切な処置を受けましょう。
3、歯ぎしりや食いしばりで痛みが生じる
歯ぎしりや食いしばりは歯や顎に大きく負担をかけてしまいます。
長期間歯ぎしりや食いしばりが続いている場合、摩耗や圧迫が起こる可能性があり、歯や歯の周辺組織にダメージを与えて噛み締めた時に痛みが生じたり、歯根膜が炎症を起こすことによって痛みを伴うこともあります。
歯ぎしりや食いしばりはナイトガードやマウスピースを使用して防ぐことができます。
放置するのはやめ、早めに歯科医院に相談しましょう。
4、歯並びが原因で痛みが生じる
歯並びが悪いことで正常な位置からずれてしまっていたり、噛み合わせのバランスが悪いことで食べ物を噛む時に痛みを生じる場合があります。
歯並びが原因で痛みが生じる場合は歯並びを改善する必要があります。
歯科医院で矯正治療を行うことを視野に入れましょう。
5、口内炎で痛みが生じる
実は口内炎が原因で歯に痛みが発生することもあります。
口内炎には原因がウイルス性のものがあり、ウイルス性口内炎は口腔内に拡散して歯茎の炎症が原因で歯自体に痛みが出ることもあります。
ウイルス性口内炎は抗ウイルス薬による治療を行う必要があります。
6、神経痛や片頭痛で痛みが生じる
神経痛や片頭痛の症状には歯に痛みが伴うことがわかっています。
痛みは歯の神経の炎症と似ていると言われており、ご自身で判断するのは難しいのが現状です。
歯科医院で虫歯と判断されていないのであれば専門的な医療機関で適切な治療を行うようにしましょう。
7、咀嚼筋の炎症で痛みが生じる
過度に顎の筋肉を使用することで咀嚼筋の炎症が起こることがあります。
歯ぎしり、食いしばり・ストレス・顎関節症などが原因で引き起こされ、歯に痛みを伴う場合もあります。
原因によって対処法が異なりますが、マウスピース着用やストレス管理を行ったり、極力柔らかい食べ物を食べることで筋肉を休ませるといった対処を行います。
8、蓄膿症(副鼻腔炎)で痛みが生じる
歯と全く関係性がなさそうな蓄膿症(副鼻腔炎)ですが、炎症が歯の根や歯の神経に波及することで歯に痛みを伴うことがわかっています。
耳鼻科を受診することはもちろんですが、歯に痛みが生じている場合は同時に歯科医院も受診するのが理想的です。
9、口腔がんで痛みが生じる
口腔がんで、歯の痛みや歯のぐらつきなどの症状が現れることがあります。
初期ではほとんど痛みはなく、進行してから痛みを感じる場合がほとんどなため、すでに進行している可能性もあります。
早期に専門の医療機関に相談する必要があります。
口腔がんを予防するには口腔内の衛生管理やバランスの良い食生活やアルコール、タバコを控えるなどが挙げられます。
10、気圧で痛みが生じる
気圧の変化によって歯に痛みが生じることがあり、これを気圧性歯痛と言います。
急激な気圧変化の状況下(飛行機の離着陸、ダイビングなど)で感じることが多々あり、気圧性歯痛が起こる場合は歯に何らかの問題が発生している兆候の可能性もあります。
念の為に歯科医院に相談するようにしましょう。
11、親知らずで痛みが生じる
親知らずが原因で隣り合う歯や神経を圧迫することがあり、歯に痛みを感じることがあります。
痛み止めで痛みは落ち着きますが、一時的に痛みを止めているに過ぎず、場合によっては炎症を引き起こしており大きな問題になる可能性があります。痛み止めをだけに頼らず早めに歯科医院に相談するようにしましょう。
▪️まとめ
歯が痛いと虫歯が原因と第一に考えるかもしれませんが、お伝えしたとおり歯の痛みには様々あります。
虫歯以外で歯に痛みを伴い症状がこんなにもあることに驚いたのではないでしょうか?
そして関係なさそうな病気でも歯に痛みを伴う場合もあることをご理解いただけたかと思います。
歯に痛みが生じているのは、何らかのトラブルを抱えている証拠です。
歯の痛みがきっかけで大きな病気が見つかることもあるため、ご自身で判断するのはやめましょう。
直近で虫歯はないと診断されたからといって安心せず、再度歯科医院を受診して状況を診てもらいましょう。