治療・講演実績
2025/05/07検診でも指摘される上唇小帯(じょうしんしょうたい)って?
岐阜市にある、あかなべ歯科です。
突然ですが、上唇小帯と言う言葉を聞いたことはありますか?
上唇小帯はお子様のいる家庭であれば検診で指摘を受けたことのある方もいるかと思います。
あまり聞き慣れない言葉ですが、低年齢では上唇小帯が長い・太いということはよくあり、心配になった方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、上唇小帯付着異常についてお話ししていきたいと思います。
▪️上唇小帯付着異常ってなに?
まず、上唇小帯とは上前歯の中心にある筋のことを指します。
この筋が上前歯の歯と歯の間に入り込んでいる場合があり、赤ちゃんの検診の際に指摘されることは少なくありません。
ただし、指摘されたからと言って過剰に心配する必要はなく、低年齢であれば上唇小帯が太いのは当たり前であり、ほとんどの場合は顎の成長と共に位置が上に移動して行き、徐々に幅も狭くなっていきます。
もしも成長しても上唇小帯が歯と歯の隙間に入り込んだまま改善が見られない場合は注意する必要があり、場合によっては治療も必要になります。
▪️成長を重ねても改善しない場合はどうする?
判断するタイミングは前歯の永久歯が生え変わる6〜8歳程度です。
この年齢になっても上唇小帯の改善が見込めない場合は切除が必要になるケースもあります。
切除と聞くと心配になるかもしれませんが、処置自体は簡単な物なので過剰に心配する必要はありません。
処置の流れは下記の通り。
1、麻酔を行う
2、小帯に切れ目を入れ硬い部分を切除
3、止血を行い縫合
4、1週間後に抜糸
術後は経過観察を行いながら後戻りしていないことが確認できれば完治となります。
▪️6〜8歳以降も切除せず放置したらどうなる?
上唇小帯付着異常をそのまま放置すると歯並びが悪くなるといったリスクや前歯が永久歯に生え変わっても歯と歯の間に上唇小帯が入り込んで隙間ができてしまい、すきっ歯状態になることもあります。
その他にも上唇小帯があることで歯茎と歯に隙間が生じ、ブラッシングやフロスがしづらくなり虫歯や歯周病などの口腔内トラブルを誘発することもあります。
また、状態によっては発音障害や唇の開閉不全なども引き起こす恐れがあります。
検診で指摘されたことのある親御さんは自己判断せず、適齢期になったタイミングで歯科医師に相談するようにしましょう。
▪️検診で指摘されたけど心配!何かできることはある?
成長と共に改善する場合がほとんどなのですが、100%大丈夫と言うわけではではないのも事実なので、どうしても心配という方もいると思います。
生え変わる前の段階であれば、口腔内のストレッチなどを続けることで改善する可能性があります。詳しいストレッチ方法などは歯科医院に相談してみましょう。
▪️切除することですきっ歯は治る?
生え変わる前段階に切除することで上唇小帯付着異常が原因で起こるすきっ歯を避けることはできます。
しかし、永久歯に完全に生え変わった状態ですでにすきっ歯になっている場合は切除したとしても自然にすきっ歯が治る可能性は少なく、矯正治療で改善するケースがほとんどです。
▪️切除すると顔が変わるって聞いたけどホント?
上唇小帯を切除することで顔つきが変わる可能性は稀にあります。
切除するとつっぱりがなくなり、ガミースマイルや笑う時に口角が上がりにくくなってしまったと言ったケースが報告されています。
そのため、必ずしも切除をおすすめする訳ではなく、患者さんの要望を聞いた上、最終手段として切除が行われます。