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2025/01/08フッ素は危険なの?その真相は?
岐阜市にある、あかなべ歯科です。
インターネット、SNSなどでフッ素は危険と紹介されていたけど、歯科医院で行うフッ素塗布やフッ素配合の歯磨き粉は大丈夫?
お子様をお持ちの親御さんは特に気になる内容なのではないでしょうか?
「フッ素=虫歯予防」というイメージが強いと同時に、「フッ素=危険」というイメージも多くの方がお持ちかもしれません。
そこで今回はフッ素は本当に危険なのかについてご紹介します。
▪️本当にフッ素は危険?
結論からお伝えすると元素のフッ素自体は猛毒です。
しかし、フッ素は単体元素を酸化してすぐにフッ化物を作ります。
そのため、猛毒である元素のフッ素単体ではほとんどの場合存在していません。
歯科医院や歯磨き粉で虫歯予防に使用されるフッ素というのはフッ化ナトリウムのことであり、フッ化物です。
(フッ化ナトリウムは粉末そのままの段階では薬事法で劇薬と定められていますが、これを濃度1%以下にしたものは薬として扱われます。)
歯科医院で行われているフッ素塗布や、フッ素配合の歯磨き粉などは濃度など使用が正く行われていれば全く心配する必要はありません。
▪️中毒症状については大丈夫?
虫歯予防に使用されるフッ素(フッ化物)は正く使用されていれば心配する必要はないとお話ししましたが、注意点がないと言う訳ではなく、必ず適量を適切に使用することを守りましょう。
処方される薬も摂り過ぎれば毒となり、どんなものも過剰に摂り過ぎれば人体へ悪影響を及ぼしてしまいます。
フッ化物も同じで、フッ化物の場合は一度に多量摂取してしまうと中毒を引き起こします。
中毒症状としては吐き気や嘔吐、胃部の不快感、下痢、腹痛、痙攣といった症状がみられ、慢性中毒の場合は歯のフッ素症といったものもあり、
歯が骨の中で生成されている段階で過剰摂取することによってエナメル質の形成障害や石灰化不全などの異常がみられるようになります。
多量摂取した場合は危険ですが、歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉では歯の表面に使用しているだけなので大量に体内に取り込むことはほとんどなく、中毒症状の発現量は2~4mg /kgと言われているため、一度に多量に摂取することは意図的に飲む意外に考えられないと言えます。
※2~4mg /kgはイメージとして4~5歳の子が子供用フッ素配合歯磨き粉を1本丸々飲むといったイメージになります。
念の為お伝えしておきますが、少しなら意図的に飲んでもいいと言う訳ではありません。配合濃度の高い歯磨き粉もあります。
誤って飲み込まないように注意しましょう。
▪️海外ではフッ素が禁止と耳にしたけど?
ネットやニュースなどでヨーロッパやアメリカなどの国でフッ素禁止というワードが出おり、勘違いされている方も少なくないかもしれませんが、それはPFAS(ピーファス)という4,700種を超える有機フッ素化合物のことであり、有機フッ素化合物に関しては世界中で禁止や規制が行われています。
虫歯の予防に使われているのは無機フッ素化合物になるため、有機フッ素化合物とは全く別物です。
フッ素の全てが禁止というわけではなく、歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉への配合としては多くの国で広く使用されています。
▪️まとめ
「フッ素=危険」というイメージがある方も少なからずいるかもしれませんが、虫歯予防にフッ素は最も効果が高く、世界中で一般的に使用されているのが事実です。
もちろんどうしても抵抗のある方はどこの歯科医院でも無理に行うことはしません。
しかし、イメージだけで虫歯予防のためのフッ素を避けるのではなく、フッ素を使用しない場合のデメリットなどを理解した上で判断しましょう。
特に子供の歯(乳歯)の場合は永久歯に比べて虫歯になりやすく、進行も早いため、当院としてはフッ素を活用して予防を行うことを推奨しています。