岐阜市にある、あかなべ歯科です。
みなさんは歯磨きと同時に舌磨きはされていますか？
口臭ケアのイメージが強い舌磨きですがその他にもさまざまなメリットがあります。
しかし、舌は思っているよりもデリケートで、磨き方を気を付けないと舌を傷つけたりと逆効果になる場合もあります。
今回はそんな舌磨きについて詳しく解説しています。

▪️舌磨きは不必要？
実は口臭外来受診者の8割程度が舌磨きを行なっているのに対して、一般の人のほとんどは舌磨きを行なっていないと言われています。そう聞くと舌磨きは不必要と思われるかもしれません。しかし舌磨きを行うことでさまざまなメリットがある事は事実です。
舌の表面は小さな凹凸があり、汚れや細菌が多く付着しています。正しく舌磨きを行う事で様々な症状の予防に繋がります。

▪️舌磨きを行うメリット
①口臭ケア
舌に付着した白い汚れ（舌苔）は細菌、食べカス、古くなた粘膜でできており、舌磨きによって除去することで、口臭予防に繋がります。
※舌苔がニオイの原因であるガスを発生させます。

②味覚を正常に保つ
舌苔を除去することは正常な味覚を保つことに繋がります。
味覚は舌の表面にある味蕾という組織で味を感じています。舌磨きを行わないことで汚れが蓄積され味覚が鈍感になり、濃い味や油っぽい食べのもを好むようになりがちで、薄味では満足感を感じにくくなる場合もなります。

③感染症の予防
風邪などの経口感染が多い感染症は、舌磨きによって感染リスクを減らす事ができると言われています。
また、感染症の予防で一番重要なのは免疫力を低下させないことであり、口腔内の細菌は体内に入ることで腸内細菌のバランスを乱し、免疫力を低下させることもあるため、舌磨きを行うことで免疫力低下の予防にも繋がります。

④誤嚥性肺炎を予防
誤嚥性肺炎は本来気管に入ってはいけない物が入って生じた肺炎のことで、老化や脳血管障害の後遺症などにより、飲み込む機能や咳をする力が弱り、口腔内の細菌や食べかすが食道ではなく誤って気管に入りやすくなります。その結果として発症するのが誤嚥性肺炎です。
舌の表面には多くの細菌や汚れが付着しているため呼吸や唾液を介して気管に入り込む場合があるため、舌を清潔に保つことで誤嚥性肺炎の発症リスクや重症化のリスクを軽減することに繋がります。

▪️舌磨きにデメリットもある？
舌磨きは多くのメリットがありますが、冒頭でもお伝えした通り誤った磨き方をしてしまうと逆効果になります。主な逆効果は下記の通りです。

・逆に口臭を悪化させてしまう
ブラシで舌を強く磨くことで舌の表面を傷つけてしまい、逆に汚れが溜まりやすくなったり、炎症を起こして口臭が悪化する事があります。
炎症を起こすことで粘膜が剥がれ、口臭の原因菌が活性化し増殖に繋がります。舌の汚れを落とそうとして必要以上に強く磨くと口臭予防をするどころか悪化させる原因になります。

・逆に味覚障害の原因に繋がる
こちらも主な原因は舌を強く磨くことによって起こります。
舌の表面にある味蕾はたくさんの神経が通っていて、食べ物の味を感じる組織です。誤った方法で舌を磨き続けると味蕾が傷ついてしまい、味覚障害を起こす場合があります。

▪️正しい舌の磨き方
口臭が気になる方は歯磨きの都度舌を磨いている方も多いのではないでしょうか？舌磨きは一日一回行えば十分です。一日に何度も行うとその分舌に負担がかかり、傷つける原因になります。磨くタイミングは朝が効果的で、就寝中に繁殖した細菌は朝に多く残るため、朝一のタイミングで行うと良いでしょう。また、できれば歯を磨くより先に舌を磨いて下さい。舌の汚れを取る前に歯を磨くと舌についた細菌が再び歯についてしまうため順番にも注意しましょう。
その他では、強く磨かないことです。歯ブラシは使わず、歯磨き粉で磨くのもやめましょう。舌磨き専用のクリーナーやジェルを使って下さい。専用クリーナーは毛先の種類にもよりますが、優しく磨けます。歯磨き粉は舌を刺激して傷つける恐れがあります。専用のジェルを使用するようにしましょう。
また、不慣れな方は嘔吐反射を起こす場合もあります。ブラシを口腔内の奥に入れるのではなく舌を前に突き出して磨くようにしましょう。

▪️まとめ
いかがだったでしょうか？舌磨きを行うことでさまざまなメリットがあり、磨き方を誤るとデメリットに繋がる事が分かったと思います。
特に口臭を気にされてない方でも舌磨きは行なったほうがいいと言えます。ただし、舌磨きを行う際は正しい磨き方をしっかり把握し、舌を傷つけないよう注意しましょう。
また、力加減がわからない方はかかりつけの歯科医院で相談してみるといいかもしません。
一度も舌磨きを行なったことのない方は一度挑戦してみて下さい。舌の表面の汚れが目に見えて取れ、口腔内も気持ち的にもスッキリします。
舌磨き専用のクリーナーやジェルは市販でも手軽に購入できます。
歯だけでなく、口腔内全体を清潔に保ち口腔内ラブルの予防に少しでも繋がれば嬉しく思います。