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2024/03/27歯科医院ではなぜ定期的にレントゲンを撮るの?

岐阜市にある、あかなべ歯科です。

患者さんからよく「なぜ定期的にレントゲンを撮るのですか?」といった質問を貰います。

特にお子様の健診や治療で多く質問を頂きます。

親御さんからすると「レントゲン=放射線」というイメージが強く、極力レントゲンは避けたいと考えているのではないでしょうか?

今回はそんな、レントゲンの必要性や放射線による医療被ばくのリスクについてお話ししていきます。

▪️歯科医院で行うレントゲンの種類は?

歯科医院で行うレントゲンには口内法(デンタルレントゲン)と口外法(パノラマレントゲン)があります。

口内法はフィルムを口の中に入れ、部分的な撮影を行う場合に使用され、フィルムは小さく、3本程度の歯を撮影できます。

口外法は、部分的でななく、歯の全体と顎の骨を撮影します。虫歯で初回治療を受ける際、最初使用されるのはこのレントゲンになります。

また、その他では歯科用CTと呼ばれるレントゲンがあり、外科手術を伴う治療の場合に使われることが多く、虫歯治療や定期健診で使われることはほとんどありません。

パノラマレントゲン

青い丸は、今後生えてくる永久歯の成長状態を確認

赤い丸は、過剰歯と言われる余分な歯が確認できる。適切な時期に抜歯が必要

 

▪️歯の治療にレントゲンは本当に必要?

結論からお伝えすると必要不可欠です。

いくら歯科医師が歯のプロといっても、肉眼で口の中を見るだけでは患者さんの歯の状況は把握しきれません。

レントゲンで確認できることは、虫歯の有無や進行状態、歯の根っこに神経が残っているかどうか、根っこの形状、歯茎で覆われて肉眼では見えない歯石の有無、顎の骨の状況といった全ての状況が確認できます。

いざ、レントゲンを撮ってみると、患者さんが気になっている歯以外にも虫歯があったり、以前治療した歯にトラブルが起こっていたりするケースは意外と多くあります。

レントゲンを撮らず治療して、すぐ他の歯が痛くなったり、何らかのトラブルが起きてしまえば、歯科医師として患者さんのためになっていないのはもちろん、患者さんからしても、「この前治療した時になぜ他の歯は確認していないの?」と、信頼関係を築くのも難しくなるのではないでしょうか?

▪️定期健診でレントゲンを行う意味は?

患者さん側からすると、虫歯でもないのに定期健診でレントゲンは撮らないで欲しいと思われるかもしれません。

お口全体を撮影する口外法(パノラマレントゲン)は通常、半年~2年に1回の頻度で撮影が行われます。初回に撮影したレントゲンで怪しい歯が見つかっていると、そこの部分だけ追加で口内法(デンタルレントゲン)や咬翼法(バイトウィング)で撮影される場合もあります。

 

咬翼法(バイトウィング)

青い丸は、定期的なメインテナンスで進行をコントロールできる虫歯

赤い丸は、治療が必要な虫歯

 

定期健診の際、毎回レントゲンを撮るわけではありませんが、歯科医院側からすると、お伝えした通り肉眼で確認するだけでは患者さんの口の中の状況は把握できません。

歯科医院では口腔内のトラブルを治療するのはもちろんですが、トラブルが起きないように予防していくのも大きな目的の一つです。特に定期健診ではトラブルを予防することが第一の目的です。定期的にレントゲンを撮らせていただき、肉眼では見えない部分を確認することでさまざまなトラブルの予防が行え、問題が起きていたとしても早期発見、早期治療に繋がります。

結果、将来的な歯の残存歯数にも大きく関わってきます。

また、お子様の定期的なレントゲンにはさらに大きな意味もあります。それは将来的な歯並びへの悪影響を回避できるからです。

お子様の顎の骨は小さく、生え変わりの際に永久歯が生えるスペースがあるかないかで、将来的に歯並びが変わります。

レントゲンで顎の骨の成長を定期的に確認することで、スペースが確保できそうになければ、顎の骨を広げる治療(拡大床による治療)を選択できたりもします。

上記を踏まえてもレントゲンを撮らないで欲しいと言う要望があれば無理に取ることはありませんが、医療従事者としては患者さんのためにも定期的にレントゲンを撮らせて頂いております。

▪️レントゲンの放射線は問題ない?

こちらも結論からお伝えすると、全く問題ありません。

放射線が全くないということではございませんが、歯科医院で行うレントゲンは0.01~0.1ミリシーベルト程度しか発生しておらず、レントゲンの際に防護服を着用することで被爆の影響は0に等しいと言われています。

また、意外と知られていませんが、被爆の影響で言えば大気や大地、食べ物からも少なからず影響を受けています。

日常的に影響を受ける日光などの自然放射線よりも、歯科医院で行うレントゲンの方が圧倒的に数値が低いのが事実です。

最近発表されたアメリカの学会の指針では、「CTを含めた歯科医院のレントゲン撮影では、防護服をつけて行う必要はない」という方針に変更されているくらいであす。

特にお子様をお持ちの方や妊婦の方が心配されるお気持ちはわかりますが、過度に心配する必要はありません。

▪️まとめ

いかがだったでしょうか?

歯科医院でレントゲンを撮影する必要性は理解していただけたかと思います。もちろん患者さんからすると、むやみやたらとレントゲンを撮らないで欲しいと思うお気持ちはわかりますが、歯科医院としては、患者さんの将来を考えると、メリットはあってもデメリットはないと考えています。8020運動という言葉が存在しますが、当院としてもみなさんが少しでも長く多くの歯を残して生活できることを望んでいます。

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